製品紹介

かがきぬ スカーフ

かがきぬスカーフ

 

加賀地方における絹織物の歴史は古く、起源は天平時代と言われております。
江戸時代になって、時の大聖寺藩は絹織物を奨励し、販路を京都にもとめた結果、『加賀絹』は高い評価を博しました。
大正四年、大正天皇ご即位の大典に、御用羽二重を製織し奉献するという光栄に浴し、昭和時代前期には、全国に『大聖寺羽二重』の名声を高めました。
また九谷焼は、大聖寺藩祖利治の命を受けた後藤才次郎により1655年(明暦元年)に創始されたと言われております。「古九谷」が元禄年間に途絶えて百数十年後の江戸時代後期1823年(文政6年)に、大聖寺城下の豪商、吉田屋伝右衛門が莫大な私財を投じて古九谷再興に立ち上がりました。
3年後、窯を九谷村から山代温泉へ移築しましたが、その間におよそ7年にわたり、吉田屋風と呼べる色絵磁器の名品が次々と生み出されていきました。
「絹織物」と「九谷焼」は、ともに江戸時代にこの加賀の地で花ひらき、先人達の労苦によって育まれた伝統の工法が、長い時を経て最新の技術へと進化し、今に息づいています。
石川県九谷焼美術館のご協力により、

  • 青泉窯、北出塔次郎の最高傑作のひとつ『胡砂の旅』。
  • 再興古九谷の雄、吉田屋窯の『百合図平鉢』。
  • 古九谷、青手土坡に『牡丹図大平鉢』。

を地元で織られた絹地に鮮やかに書き出す機会を頂きました。

 

金襴手額面『胡砂の旅』 スカーフ

金襴手額面 胡砂の旅
北出塔次郎(明治31年~昭和43年)作
口径 46cm
石川県九谷焼美術館所蔵

 

金襴手額面『胡砂の旅』 金襴手額面『胡砂の旅』 金襴手額面『胡砂の旅』 金襴手額面『胡砂の旅』

  • サイズ:63cm(ヨコ)×64cm(タテ)
  • カラー:紺・グレー・赤・黒
  • 絹100%
  • 日本製
  • インターネット直接販売価格:8,000~11,000円(税込)
※本製品は絹100%なので、上記サイズに若干の誤差があります。

北出塔次郎は加賀市栄谷町の北出窯の3代目の窯元。
昭和初期から戦後までの現代九谷惣明期の牽引車として大いに活躍した。
日本陶芸界の巨匠富本憲吉が昭和11年に北出窯を色絵技術の習得のため訪問したことは有名で、塔次郎が窯元だった北出窯を「青泉窯」と命名している。
塔次郎は帝展、文展、日展と官展系の美術展に出展しつづけ、数多くの名品を世に送り出している。
その一方で戦後まもなく、日本の工芸の未来を憂慮し、工芸美術家らを指導した。
金沢美術工芸専門学校(現金沢美術工芸大学)設立にも積極的に参加し、教授、名誉教授に至るまで後進の育成に尽力した。
この作品は北出塔次郎の最高傑作のひとつで、姉妹作は、昭和42年に第10回新日展に出品され、翌43年(1968年)に九谷焼界では初めて日本芸術院賞を受賞している。
ただ、その年の暮れに亡くなり多くの人が惜しんだ。
この作品の特徴的な見込み絵は、昭和35年頃に塔次郎が外遊した折り、中東で出会ったらくだのスケッチが原画になったという。
その周辺模様も中東で取材したものと考えられる。
加飾技法は幕末に京の永楽和全が九谷にもたらした赤地の金襴手で、まばゆい金の輝きと塔次郎特有のエキゾチックなシルクロードを想起させる画題が見事にマッチしている。
この画題が加賀絹のスカーフになるのは誠に的を得たものと思う。
(石川県九谷美術館 副館長 中矢 進一 記)

 

百合図平鉢 吉田屋窯 スカーフ

百合図平鉢 吉田屋窯
江戸後期 19世紀 口径33.5cm
石川県九谷焼美術館所蔵

 

百合図平鉢 百合図平鉢 百合図平鉢

  • サイズ:51cm(ヨコ)×54cm(タテ)
  • カラー:紺・グレー・赤
  • 絹100%
  • 日本製
  • インターネット直接販売価格:3,500~5,500円(税込)
※本製品は絹100%なので、上記サイズに若干の誤差があります。

江戸後期、大聖寺城下の豪商、四代目吉田屋伝右衛門によって再興した九谷窯は、屋号から現在、吉田屋窯と呼ばれています。
吉田屋九谷は数ある再興九谷諸窯の雄として高く評価され、その塗埋手は古九谷の衣鉢を最もよく継ぎ、重厚さや彩色絵具の濃厚さにおいて古九谷に勝るものがあると言われています。
この『百合図平鉢』は、吉田屋窯塗埋手の名品と定評がある秀作のひとつとしてよく知られています。
地は点描で黄彩色し、大きく百合の花を写実的なタッチで描いています。
百合の花は紫釉と紺青、葉と茎は緑釉で着彩されています。
骨描きの線描は古九谷の力強く豪快なそれとは差異が認められ、繊細でかろやかな速度を感じる運筆が印象的な作品となっています。
(副館長 中矢 進一 記)

 

青手土坡に牡丹図大平鉢 古九谷 スカーフ

青手土坡に牡丹図大平鉢 古九谷
江戸前期 17世紀 口径43.5cm
石川県九谷焼美術館所蔵

 

青手土坡に牡丹図大平鉢 青手土坡に牡丹図大平鉢 青手土坡に牡丹図大平鉢 青手土坡に牡丹図大平鉢

  • サイズ:61cm(ヨコ)×61cm(タテ)
  • カラー:紺・グレー・赤・黒
  • 絹100%
  • 日本製
  • インターネット直接販売価格:6,000~8,800円(税込)
※本製品は絹100%なので、上記サイズに若干の誤差があります。

作品の主題となっている牡丹は「百花の王」といわれ、古来、富貴を象徴する吉祥文として好まれました。
中国では唐代にその栽培が人気を博し、宋代に入ってから陶磁器の文様として頻繁に用いられてきました。
わが国でも平安後期以降、工芸作品に意匠化されるようになります。ただ、自然の状態つまり地面に生えた姿をそのまま写す絵画のそれとは一線を画するものでした。
絵画で発展をみせた写生による花の意匠が陶磁器を飾り始めるのは桃山時代になってからであるとされています。
この平鉢は、経が尺三(一尺三寸)もある堂々たるもので、青手様式で力強く豪快な筆致で描いた牡丹の花が見事に映え、見る者を圧倒します。
下方には、うねる土坡がまるで荒波を思わせるがごとく白抜きで描かれています。
牡丹を描いた古九谷は少なくありませんが、土坡を描いた作品は非常に珍しい。
3つの牡丹の花は紫釉で賦彩されています。
地紋は丸小紋が黄釉で塗り埋められ効果的な背景として、それらを浮かび上がらせています。
その卓越した筆力と絵画構成は私たちに鉢面を超えた空間の広がりを感じさせます。
(副館長 中矢 進一 記)

 

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